柴犬には、タヌキ顔とキツネ顔があるとよく言われています。
その違いはどんなところにあるのか、詳しく見ていきましょう。
日本には、柴犬の保存に特に力を入れている団体が2つあります。
1つは昭和の初めから長らく活動を続けている
日本犬保存会。
もう1つは昭和34年に設立された
天然記念物柴犬保存会です。
どちらも、それぞれが考える柴犬の理想像と言うものを持っており、
その違いがタヌキ顔とキツネ顔として認識されているようです。
日本犬保存会の理想とする柴犬(JKCもこちらに準じています)は、
特徴のところでも触れたように、ストップが明瞭で、適度な長さで
丸みを帯びたマズルを持っています。
ストップ:目の付け根から口先へ切り替わる部分の凹み。額段とも言う。
マズル:目の付け根から鼻の先までの口先の部分。
これがタヌキ顔と言われる柴犬の特徴となります。
一方、天然記念物柴犬保存会のほうは、縄文時代の遺跡から発掘された小型犬の骨と
同じ特徴を持つ柴犬こそが本来の姿であると考えています。
その理想像は、ストップがほとんどないか、あってもごく浅いものとされています。
また大き目の歯を持っていることから、その分マズルの長さも長くなり、
頭部から鼻先までが、よりスマートで細長い印象を与えます。
これがキツネ顔といわれる柴犬の特徴です。
まとめると、タヌキ顔の子のほうがお鼻が短く、キツネ顔のほうが長いということです。
こうして2つの流れによって、顔の形が2種類あるとされている柴犬ですが、現在の主流は
やはりタヌキ顔です。
これまで日本で一番多くの柴犬を作出しているのが日本犬保存会であり、日本で一番多く
の犬を管理しているJKCもそれに準じているため、必然的にそうなってしまいます。
でも、どちらの顔が良いのかは、人ぞれぞれの好みの問題でもあります。
どの団体で犬籍を管理しているかで、おおよその予測はつきますので、子犬を探されるときの
参考にしてみてください。
柴犬の血統書は、2つの大きな団体が主流となり発行しています。
これまでに何度も触れていますが、日本で一番多くの柴犬を作出
しているのが
日本犬保存会であり、日本で一番多くの犬を管理し
ているのが
JKC(ジャパンケネルクラブ)です。
スタンダードなどはJKCが日本犬保存会の犬種標準に準じていま
すので、大きな違いはありません。
しかし、ドッグショーや展覧会などでは、その審査方法や賞位など
は大きく違います。
また、それぞれの団体が独自に行っている活動もあります。
柴犬の繁殖を行っているブリーダー達も、どちらかの団体に所属しています。
したがって、
発行される血統書も基本的にはどちらか一方になることが多いようです。
当然のことながら、それぞれの団体の活動に参加するためには、その団体での犬籍登録と
入会が必要になります。
もし、日本犬保存会の血統書を持つ犬で、JKCのアジリティ競技会へ参加したい場合などは、
JKCへの単犬登録の手続きが必要になります。
手続きは必要ですが、JKCでは、日本犬保存会の血統書を持つ犬をJKCへ単犬登録することが
できますので、必要な場合はそれぞれの団体へ詳細を問い合わせてみてはいかがでしょうか?